退職届を出して「やっと辞められた」と一息ついた瞬間、もう次の手続きが待っています。
退職後は会社が肩代わりしてくれていた手続きを全部自分でやることになります。期限を過ぎると保険料が遡って請求されたり、失業保険が減額されたり、確定申告で還付金を取り損ねたりと、知らないだけで数万〜数十万円の損が出ます。
この記事では、退職後14日以内・1ヶ月以内・確定申告までの3段階で、何をいつまでにやるかを優先順位つきで整理します。
退職後14日以内にやること(緊急度★★★)
1. 健康保険の切替
会社の健康保険は退職翌日に喪失します。次の選択肢から1つ選びます。
| 選択肢 | 期限 | 保険料目安 | |---|---|---| | 任意継続 (元の健保を続ける) | 退職後20日以内 | 在職時の約2倍 | | 国民健康保険 | 退職後14日以内 | 前年所得で算定 | | 家族の扶養に入る | できるだけ早く | 0円 |
任意継続は最大2年間で、退職時の標準報酬月額が高い人は国保より安くなることが多いです。逆に前年所得が低い・無職になる場合は国保のほうが安くなる傾向。自治体の窓口で両方の試算を依頼するのが鉄則です。
2. 国民年金への切替
第2号被保険者(厚生年金)から第1号被保険者(国民年金)に変わります。これも退職後14日以内に市区町村窓口で手続き。
- 必要書類: 年金手帳、退職証明書または離職票、本人確認書類
- 月額: 16,980円(2025年度)
- 払えないなら免除・猶予制度を申請(満額未納は将来の年金額に響く)
3. 住民票の異動(引越しがある場合)
引越しを伴うなら同時にやっておくと、健保・年金の手続きが1回で済みます。
退職後1ヶ月以内にやること(緊急度★★)
4. 失業保険(雇用保険)の申請
ハローワークで離職票を提出して求職申込み。待機期間7日 + 給付制限2ヶ月(自己都合退職の場合)を経て初回支給。
- 自己都合退職: 給付制限2ヶ月、給付日数90〜150日
- 会社都合退職: 給付制限なし、給付日数90〜330日
自己都合でも「特定理由離職者」「特定受給資格者」に該当すれば会社都合扱いになり、給付制限がなくなります。パワハラ・残業時間超過・賃金未払いなどがあれば、必ずハローワークに相談してください。
5. 離職票が来ない問題
会社からの離職票発行は通常2週間以内ですが、嫌がらせで遅延させる会社もあります。ハローワークに「会社が離職票を出してくれない」と相談すれば催促が入ります。それでも来なければ仮手続きが可能。
6. 退職金の確認と源泉徴収票の保管
退職金は受け取り時に源泉徴収されますが、**「退職所得の受給に関する申告書」**を提出していれば確定申告は不要。出していない場合は確定申告で還付の可能性あり。
翌年の確定申告で還付金を取る(緊急度★★)
7. 退職した年の確定申告(翌年2/16〜3/15)
会社員時代は年末調整で完結していたところを自分でやります。退職時期によっては還付金が出るケースが多いので、面倒でも必ずやるべき。
- 退職した年の源泉徴収票
- 国民健康保険料・国民年金保険料の支払証明書(社会保険料控除)
- 任意継続保険料の領収書
- 生命保険・地震保険の控除証明書
- 医療費の領収書(年10万円超)
月の途中で退職して年内再就職しなかった場合、年末調整がされないので、源泉徴収された所得税が払いすぎになっていることが多いです。確定申告で取り戻せます。
退職代行で辞めた場合の追加注意点
退職代行サービスを使って辞めた場合、会社とのやり取りが終了しているので、以下が滞りやすいです。
- 離職票が遅れる: 退職代行業者経由で督促してもらうか、ハローワークに直接相談
- 私物の返却: 着払いで送ってもらう or 退職代行業者経由で交渉
- 健康保険証の返却: 郵送で返却(これは自分で対応必要)
- 退職金の振込: 期日通りに振り込まれない場合は労基署相談
退職代行を使うこと自体は法的に問題ありません。ただ「事務的な引継ぎが完全に切れる」状態になるので、上記4点を辞める前にメモしておくことを強くおすすめします。
まとめ:退職後すぐ動くと数万〜十数万円の差が出る
| やること | 期限 | 放置のコスト | |---|---|---| | 健康保険切替 | 14日以内 | 後日遡って請求 | | 国民年金切替 | 14日以内 | 将来の年金が減る | | 失業保険申請 | できるだけ早く | 給付日数が削られる | | 確定申告 | 翌年3/15まで | 還付金の取り損ね |
特に失業保険の自己都合→会社都合への切替交渉と確定申告での還付は、多くの人が「面倒だから」とやらずに損しています。
退職届を出した瞬間にこの記事をブックマークして、退職日から逆算して動いてください。