「また終電か……」深夜1時のホーム。K・Aさん(24歳)は今月90時間の残業をこなしたが、給与明細に残業代はゼロだった。
上司に「残業代が出ていないのですが」と聞こうとした瞬間、声が出なかった。先輩が同じことを言って怒鳴られた場面が頭をよぎったからだ。
これは犯罪だ。そしてあなたは逃げていい。辞めていい。
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残業代未払いは「賃金窃盗」だ
労働基準法第37条は、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える残業に割増賃金の支払いを義務付けている。
- 時間外(月60時間まで):基本賃金の25%増し以上
- 時間外(月60時間超):50%増し以上
- 深夜(22時〜翌5時):25%増し以上
- 休日出勤:35%増し以上
違反した会社には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金(労基法119条)が科される。「固定残業代込み」「みなし残業」という言葉で誤魔化すブラック企業は多いが、固定残業時間を超えた分は必ず追加で支払わなければならない。月90〜100時間残業している人間に固定残業代だけで済むケースはほぼない。その差額は年間で数百万円規模になりうる。
それはあなたの金だ。取り戻せる。
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ステップ1:今すぐ証拠を集めろ
請求に必要なのは「実際に働いた時間の証明」だ。会社が残業代を認めなくても、以下の証拠があれば戦える。
| 証拠の種類 | 具体例 |
|—|—|
| 入退室記録 | ビルの入退館ログ、セキュリティカードの記録 |
| PC操作ログ | ログイン・ログオフ時刻のスクリーンショット |
| メール・チャット | 深夜・休日の送受信履歴(Slack、Teams等) |
| 手書きメモ | 日付・出退勤時刻を毎日記録 |
| 給与明細 | 全月分をコピーまたは写真保存 |
| 雇用契約書 | 固定残業代・所定労働時間の記載確認 |
スマホのカメラで今日から撮り始めるだけでいい。証拠収集と並行して、相談窓口に話を持ち込もう。
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ステップ2:残業代を自分で計算する
未払い残業代の計算式はシンプルだ。
基礎時給の出し方(月給制の場合)
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基礎時給 = 月給 ÷ 月の所定労働時間
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例:月給25万円、所定労働時間160時間の場合
→ 基礎時給 = 250,000 ÷ 160 = 1,562円
固定残業代が「45時間分・月7万円」でも、実際に95時間残業していたなら:
- 超過時間:95 − 45 = 50時間
- 月の未払い額:1,562 × 1.25 × 50 = 約97,625円
これが毎月続いていたなら、2年分の時効で計算すると:
→ 97,625 × 24ヶ月 = 約234万円
「固定残業代があるから大丈夫」と思わせておきながら、実は数百万円を盗んでいる。それがブラック企業の手口だ。
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ステップ3:残業代を請求する3つのルート
ルートA:内容証明郵便を会社に送る
自分または弁護士が「未払い残業代○○円を〇日以内に支払え」という内容証明郵便を送付する方法。穏便に解決するケースもあるが、ブラック企業は無視することが多い。
ルートB:労働基準監督署に申告する
無料で使える行政の力だ。労基署は会社に立入調査・是正勧告ができる。ただし民事上の請求(お金の回収)は自分でやる必要がある。
- 会社の管轄労基署に「賃金不払い申告書」を提出
- 調査に数週間〜数ヶ月かかることも
- 費用はゼロ、行動力だけ必要
ルートC:弁護士に依頼して労働審判・裁判
最も強力な手段。未払い残業代は付加金(同額の上乗せ)を請求できる可能性もある。弁護士費用は成功報酬型(回収額の20〜30%)が多い。まずは無料相談から。在職中でも請求できる。
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